スペーシングベンチシステム

スペーシングベンチシステムとは

自動でスペーシングを行いますので栽培面積をフルに使用することが出来非常に効率的です。温度・照度・湿度・灌水を完全自動化することにより、高生産と安定出荷を可能にします。

本システムの主な設備は以下の通りです。全て完全自動制御です。

自動播種機 暖房装置
強制発芽室 炭酸ガスCO2発生装置
専用育苗室 ミスト
自動スペーシング搬送成育ガター 人工照明
収穫作業台 リサイクル消毒装置
出荷調整冷凍庫 ガラス温室
出荷作業室 2軸2層カーテン

MGS(Moving Gutter System)の野菜栽培の仕組み

MGSの野菜栽培の仕組み

上記の生産過程で出荷されるが、ガターの戻しや消毒、トレー(カセット)の消毒や戻し等の作業が平行して行われる。

播種
  • ・機械化作業により、プラスチック・ポットにピートモス培地(針葉樹の繊維・苔)の詰め込みを行う
  • ・自動播種機械によりポットへの播種、頭上潅水を行う(写真①)
発芽
  • ・専用移動台車によりポットを強制発芽室へ移動し、1日間置いて発芽させる(ほうれん草のみ)(写真②)
  • ・その後、発芽室に5~8日間置く(写真③④)
育苗
  • ・発芽室で発芽したポットをワゴンにより、育苗床に移動する(写真⑤⑥)
  • ・育苗床のポット苗を本葉2枚の段階で間引き作業を行う。
  • ・育苗床で10日間育苗する。
生育
  • ・育苗床からポットを手作業で生育ライン始点のガターに移動する(写真⑦)
  • ・育苗ラインで自動育成(架台レールによるガターの自動移動方式)が行われる(写真⑧⑨)
  • ・品種により、生育ラインで18日~25日、播種後35日~42日で出荷サイズの大きさに生育させる
収穫
  • ・育苗ライン終点で成長した株を手作業でポットごとビニールの袋に入れる(写真⑩)
  • ・収穫場所から箱詰め作業エリアへは専用台車で運ばれる。
  • ・専用台車で運ばれてきた野菜はダンボール箱に詰めて出荷する。

生産過程での管理項目

環境制御
  • ・換気:天窓により上限温度維持、除湿、換気を行なう。
  • ・暖房:温風暖房機により下限温度維持、相対湿度低減を行なう。
  • ・保温:保温カーテンにより放熱抑制を行なう。
  • ・CO2:炭酸ガス発生器により炭酸ガス高濃度化を行なう。
  • ・光調整:①遮光カーテンにより高温抑制、日長処理(短日)を行なう。②補光ランプにより補光、日長処理(長日)を行なう。
  • ・ミスト:細霧冷房により、冷房、加湿を行なう。
  • ・培養液栽培:①培養液調整装置によりEC・pH調整を行なう。②給液装置により給液量調整を行なう。
センサー
  • ・外部気象センサー:日射計、温度計、湿度計、風速計、風向計、感雨計など
  • ・内部気象センサー:温度計、湿度計、CO2計など
  • ・養液栽培センサー:EC計、pH計など
  • ・その他

栽培施設及び制御装置

ガターシステム
  • ・システムは幅7.32m×125mで今の場合、合計6レーンである。
  • ・ガターの寸法は幅7.5cm×高さ7.5cm×長さ7.2m、1レーン当り990~1460ガター設置する。
  • ・プルシステム(ガターの移動装置)はレーン毎に5区画に分れ、各区画の伸長は独自に管理可能。ギアモーターで動かし、スピードは約20mm/秒で固定する。
  • ・生育区画を各レーンごとにコントロールパネルで管理を自動化する。
ガター戻しシステム
  • ・収穫終了後、ガターは新苗定植のために各レーンごとに反対側に移動する。
  • ・コンベアはベルトドライブで動き、5分で移動を完了する。
  • ・コンベアボックスのサイズは70×80cmでガターの収容能力は80~100本である。
  • ・コンベアボックス内で80℃の熱湯をスプレーノズルで散布して消毒する。
  • ・廃液は生育ラインの始点側で集中的に処理し、リサイクルする。
潅液システム
  • ・全6レーンの生育面積を各レーンごとに2区画づつの潅水グループに分け、各々戻りタンクを設置する。
  • ・回収液は6レーンを2系統に分けてリサイクルする。
液肥混入機
  • ・12区画(6レーン×2区画)に対して必要数の液肥混入機、液肥混入ポンプ、ECコントロール、pHコントロールなどを設置する。
紫外線殺菌装置
  • ・紫外線殺菌装置としてUVフィルターを用いる。
  • ・リサイクルタンクから定量になったときにくみ上げて殺菌処理し、タンクに貯蔵する。
冷却ミスト装置
  • ・冷却ミスト装置は6レーンに設置し、面積を2分割して管理する。
  • ・フォグノズルは、6レーン×2ラインを3mピッチで設置する。
  • ・育苗区間での潅水と給肥は潅水ブームを用いる。
人工照明
  • ・育成区間において80W/m2、育苗区間においては100W/m2の条件を満たすのに必要な照明灯を設置する。
冷蔵貯蔵庫(予冷庫)
  • ・収穫した生産物は冷蔵貯蔵庫(112m2)に貯蔵する。
環境制御装置
  • ・育苗区間に1台、生育区間に2台、作業場に1台の計4台設置する。